ラッシュライフ <伊坂 幸太郎さん>

<ラッシュライフ> 感想

5つの話が並行して進んでいくので、
初めて読んだときは、少し頭が混乱気味だったのが、
再読となると、安心して読めたし、
先を知っているだけに、細かい部分まで読み逃すこともなく
愉しんで読むことができた。

ほんとに、うまく構成されている小説だと思う。
伊坂さんという方の頭の中は、どうなっているんだろう。
素晴らしい。

この小説の最後の部分に出てくる、「だまし絵」の中にいる、
「屋上から離れて一人だけ、その行進を見上げている男」、
これは、もしかしたら伊坂さんなのかもしれないと思った。

5つの話の中で、一番の興味は「黒澤」だ。
他の伊坂さんの作品の中にも登場するキャラクターでもあるし、
「泥棒」でありながら、そのセリフが深いところが好き。

5つの話が並行して進むため、シーンがころころと変わる。
それをわかりやすくするための、配慮なのか
シーンが変わるたびに、小さな挿絵というかアイコンが描かれている。
そのため、誰の話(どの話)なのかが、わかりやすい。

この手法は、動物園のエンジン(フィッシュストーリー)でも使われていた。
そういうのって好きだなぁ。

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<ラッシュライフ> あらすじ

画商の戸田と画家の志奈子
泥棒・黒澤と同級生の佐々岡
新興宗教の教祖にひかれる河原崎と塚本
精神科医の京子とサッカー選手の青山
失業中の豊田と野良犬

この5つの話が並行してすすんでいく。
それぞれ別の人生の話だというのに、
意外なところで結びついていく、だまし絵のような結末。

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<ラッシュライフ> 好きなことば

再読の「ラッシュライフ」。
この小説の中にも、いいことばだなぁと思うフレーズがたくさんあった。
それを、ここに残しておきたいと思う。

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P224

「未来は神様のレシピで決まる」


このセリフは、伊坂さんの小説の中によく登場する。
あたしは、このセリフが大好きだ。

「ラッシュライフ」の中でも、このセリフのあとに
「運命というよりはよほどいいと思わないかい」と続く。

うん、ほんと、ホント!
「運命」なんてことばで、未来を決められてるとは思いたくない。

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P248

「若者は自分のことを棚に上げることに関しては、
秀でている。棚に上げたきり二度と降ろさないのが
あいつらのやり方だ。」


うまいなー、この言い回し。
「棚に上げたきり二度と降ろさない」っていう表現がお気に入り。

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P277

「(おれは泥棒のプロフェッショナルだが)
人生については誰もがアマチュアなんだよ」



「誰だって初参加なんだ。人生にプロフェッショナルがいるわけがない」と、続く。


ああ、まさにその通り。
肩の力がスッとぬけていくような言葉だ。

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p358

「分かり合おうとするから、辛いのかもしれない。
相容れないもの同士なのだ。
それを前提にすれば、気は楽だ。」


そうか、そう考えれば、確かに気が楽になるかもしれない。
何とか、自分の気持ちをわかってもらおうと考えるから無理が
あるのかもしれない。
相容れないもの同士・・・なるほど、それが前提か。


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<ラッシュライフ> 作品間リンク

「ラッシュライフ」を再読。
この小説は「作品間リンク」がたくさんある。

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「黒澤」
 プロの泥棒


「重力ピエロ」
「サクリファイス」(フィッシュストーリー)
「ポテチ」(フィッシュストーリー)

泥棒だったり、探偵だったりする黒澤。

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「伊藤」
 佐々岡の勤める画廊に出入りしていた額屋のアルバイト


「オーデュボンの祈り」
「重力ピエロ」
「動物園のエンジン」(フィッシュストーリー)

システムエンジニアだったり、コンビニ強盗を起こしたりする伊藤。

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「河原崎の父」
 ビルの17階から飛び降り自殺をする


「動物園のエンジン」(フィッシュストーリー)で、
主人公の先輩として登場する。

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「高橋」
 宗教団体の教祖


「重力ピエロ」の中で、泉水が高橋のことを思い浮かべる。

「動物園のエンジン」(フィッシュストーリー)で、
後に恩田は新興宗教にのめりこむとあるが、
この宗教の教祖が高橋と思われる。

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「佐々岡」
 黒澤の同級生


「サクリファイス」(フィッシュストーリー)に登場する、
柿本の作品を扱う画廊主は、この佐々岡ではないかと思う。

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「老夫婦」
 黒澤の財布を奪おうとする老夫婦強盗


「フィッシュストーリー」の中で、橘麻美と瀬川と乗り合わせる老夫婦

「サクリファイス」(フィッシュストーリー)の中で、
黒澤がこの老夫婦のことを思い出すシーンがある。

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「タダシ」
 黒澤に郵便局強盗を一緒にやろうともちかける


「ポテチ」(フィッシュストーリー)に出てくる、
空き巣の今村忠司は、この「タダシ」だと思う。

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「映画館爆破未遂事件」
 宗教団体教祖の高橋が真相を言い当てる。


「陽気なギャングが地球を回す」の4人が出会い、
ギャングの結成となるきっかけとなる事件。

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「お面強盗事件」
 豊田が乗ったタクシーの中で、 この事件がラジオのニュースで流れる。


「チルドレン」で、鴨居、永瀬、陣内がこのお面強盗事件に遭遇する。

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「神様のレシピ」と「案山子」
 佐々岡が「伊藤」が話していたという
 「紙様のレシピ」と「案山子」の話を黒澤に話す。


「オーデュンの祈り」
「重力ピエロ」 
「グラスホッパー」でも、この話は出てくる。

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