オーデュボンの祈り <伊坂 幸太郎さん>

<オーデュボンの祈り> 感想
初めて伊坂さんの本を読んだのが、この「オーデュボンの祈り」だった。
薦められて読んだ本だったけど、読後の感想は、「一体、この小説は何?」
というものだったと記憶している。

案山子が喋る・・・SFものなのか?
桜が撃つ、残酷な城山、案山子の殺人・・・ミステリーなのか?
現実にはない、仙台の沖にある荻島・・・非現実的なファンタジーものなのか?

とにかく、説明のつかない不思議な小説に出会った気分だった。
そして、今回、もう一度読み直してみた。

伊坂さんの小説を読んでいると、似たようなキーワードが出てくる。
生と死、音楽、絵、宗教、犬・猫・鳥・虫、政治、天気、システムエンジニア・・・など。
この「オーデュボンの祈り」は、伊坂さんのデビュー作だからなのか、
そのキーワードのすべてが網羅されているようで、再読すると、わくわくした。

「この島に欠けているもの」・・・これが一体何なのか。ずっと気になる。
最後まで、それが気になって仕方がない。
そして、ラストでそれがわかった時、なんと清々しい気持ちになれることか。

桜の「理由になっていない」という言葉。
城山には、最高の贈る言葉になったと思う。

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<オーデュボンの祈り> あらすじ
主人公の伊藤は、人生をリセットしてみたいと思い、コンビニ強盗を試みるが失敗する。
そして、パトカーから逃げだし、気がついたら、荻島という鎖国状態の不思議な島にいた。

この島には、言葉を喋る案山子がいた。その案山子は未来が見えると言う。
しかし、島のすべての人間から信頼されていた案山子の優午が、ある日、殺される。
未来が見えていたはずの優午に、自分の死を防ぐことはできなかったのか、
という疑問とともに、一体、誰が優午を殺したのか。

     伊藤   主人公・元システムエンジニア
     優午   言葉をしゃべる案山子
     日比野  伊藤に島の案内をする
     轟     島の中で、唯一、外の世界へ出ることができる
     桜     島の中で、悪事を働くと桜が拳銃で撃つ
     田中   オーデュボンのリョコウバトの話をする
     城山   残酷な警官

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<オーデュボンの祈り> 好きなことば

「オーデュボンの祈り」
この小説の中にも、いいことばだなぁと思うフレーズがあった。
それを、ここに残しておきたいと思う。

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(P24)

「悪気はないようだったが、悪気がないのと人の気持ちをわかるというのは別の話だ。」

そうそう、まったくその通り。
人の気持ちをわかろうとすることが大事だと思う。
自分への戒めも含めて、この言葉に深くうなづいた。

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(P42)

「人生ってのはエスカレーターでさ。自分はとまっていても、いつの間にか進んでるんだ。」

主人公・伊藤の祖母の言葉。
そうだねー。世の中のすべてが止まるってことはないよね。
前に進むことばかり考えてると、疲れちゃうよね。
じっとしていても、前に進める時もある。

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<オーデュボンの祈り> 作品間リンク
「オーデュボンの祈り」は、伊坂さんのデビュー作なので、
作品リンクは、ここから始まったんだろうね。

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(1)「神様のレシピ」と「案山子」
 
「ラッシュライフ」
「重力ピエロ」 
「グラスホッパー」でこの話が出てくる。


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(2)「伊藤」
   コンビニ強盗に失敗をして逃走。気がついたら荻島にいた、主人公の伊藤。



「ラッシュライフ」  
     佐々岡の勤める画廊に出入りしていた額屋のアルバイト。
「重力ピエロ」    
     青葉山の橋で、泉水と話をする。
「動物園のエンジン」(フィッシュストーリー)
      主人公の友人で、電話で話をする。
      その後、伊藤は会社を辞め、コンビニ強盗を起こす。


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(3)田中
   足が悪く、代書の仕事をしている、鳥が好きな男。
   オーデュボンのリョコウバトの話をする。


「魔王」                   
    足を撃たれるサッカー選手 
「陽気なギャングな地球を回す」   
     どんな鍵でもをつくってくれる男
「ゴールデンスランバー」       
     足を骨折して入院している男
「グラスホッパー」           
     杖をついているホームレス
「モダンタイムス」            
     脚を少し引き摺るようにしていたゴッシュのシステム管理者
「SOSの猿」
    発注ミスをした菩薩証券男

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(4)若葉
   地面に寝転がってドンドンという心臓の音を聞くのが好きな10歳くらいの女の子。
   

「ポテチ」(フィッシュストーリー)                 
    大西若葉 
    大西は・・・(中略)寝そべり、床に耳をつけた。ひんやりとした感触が心地良い。
    地面に耳をつけ、そこから伝わる音や響きを確かめるのが、大西は子供の
    頃から好きだった。


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(5)
   荻島で、唯一、外の世界と行き来できる男で、伊藤を荻島に連れてきた。
   

「ゴールデンスランバー」
    轟煙花という花火屋の社長

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