モダンタイムス <伊坂 幸太郎さん>

<モダンタイムス> 感想
登場する人物が、いつも個性的なキャラクターで、
それが愉しみでもある、伊坂さんの作品。
「モダンタイムス」でも、いましたねー、個性派が。うふふ。

「井坂好太郎」という、女好きで、胡散臭い小説家。
名前が名前だけに、小説の中での彼のセリフは、
本当の伊坂幸太郎さんの言葉なのか・・・伊坂さんは、そういう考えなのか、
と、思ってしまう。

主人公・渡辺拓海の妻・佳代子は、恐妻である。
「結婚とは、一に我慢、二に辛抱、三、四がなくて五にサバイバル」と、
拓海が言うほどの妻である。
ほんと、最初は、ありえないほど恐い妻が描かれていたけど、
小説のラストに近づくほど、彼女の印象が変わってくる。

この小説は、拓海の小学3年生の時の言葉で始まる。
「実家に忘れてきました。何を? 勇気を。」
その彼が、ラストではこう言っている。
「勇気は彼女(妻の佳代子)が持っている。俺がなくしたりしないように」

あんなに恐がっていた妻なのにね。
案外、いい夫婦じゃん。

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<モダンタイムス> あらすじ
「魔王」の続編。今より50年ほど未来の話。

主人公は、システムエンジニアの渡辺拓海。
キーワードは「検索」。
現代のインターネットや、システムについて、鋭く突いている感じだ。

渡辺拓海は、あるシステムの改良の仕事を担当する。
前任者の五反田正臣は、失踪した。
その五反田は、「見て見ぬふりも勇気だ」と言う。

単純な仕事のはずだったのに、大きな組織に狙われることとなる拓海。
彼は見えない敵の実体と闘うこととなる。


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<モダンタイムス> 好きなことば

「モダンタイムス」
この小説の中にも、いいことばだなぁと思うフレーズがあった。
それを、ここに残しておきたいと思う。

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(P)140

「人生は要約できねえんだよ」

 この小説に出てくる小説家・井坂好太郎のことば。
 人生は、取るに足らない出来事積み重ねで成り立っている。
 そして、その人の人生を要約すると、結婚や転職などのトピックだけが残り、
 日々の生活は削られる。
 だが、本当に大事なのは、その要約して消えた日々の出来事だ、と言う。

 うんうん。ほんと、その通りだねー。
 今まで、そういうことに気がつかなかったよ。
 心に浸みたなぁ、この言葉。

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(P)494

「わたしはね、誰もが善人であるべきとは思わないし、
 悪いことをするのもアリだと思うけど、
 思い悩まない人が一番嫌いなの」

 佳代子の言葉。
 何も考えずに、悩むことなく悪いことをする人ほど、憎い者はいないと思う。

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<モダンタイムス> 作品間リンク
「モダンタイムス」を再読。
作品間リンクを探ってみる。

「魔王」の登場人物が出てくるが、それはこの小説が、
「魔王」の続編ということで、当然のことであり、
作品間リンクとは違うので、それは除きます。

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(1)田中 
   「わたした、システム管理者の田中です」と名乗った彼は
   脚を少し引き摺るようにしていた。    P520より
 
   このゴッシュのシステム管理者の田中は、多くの作品に登場している。



「オーデュボンの祈り」
   足が悪く、代書の仕事をしている、鳥が好きな男。
「魔王」                   
    足を撃たれるサッカー選手 
「陽気なギャングな地球を回す」   
     どんな鍵でもをつくってくれる男
「グラスホッパー」           
     杖をついているホームレス
「ゴールデンスランバー」            
     足を骨折して入院している患者
「SOSの猿」
    発注ミスをした菩薩証券男

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