マリアビートル <伊坂 幸太郎さん>

<マリアビートル> 感想
とにかく会話が愉しいです。
「グラスホッパー」の続編ということで、殺し屋たちのお話なんだけど、
殺し屋が、そんなキャラでいいの?って思うくらい魅力的なキャラクターばかり。

木村と王子、蜜柑と檸檬、七尾と真莉亜、木村の父と母、
この関係で会話が進むことが多いんだけど、どれもいいコンビというか、
それぞれの個性を引き出している言葉による会話が多くて、わくわくしちゃった。

とことんついていない七尾。
彼が一番魅力的だった。
うそでしょ、って言いたくなるくらい、そして笑えるくらいについていない彼は面白い。
そんな彼も、窮地に追い込まれるとすごい集中力を発揮する。
その対比が素晴らしくて、がんばれ!って思っちゃう。

とことん「トーマス」が好きな檸檬。
会話に、とにかくトーマスに出てくる機関車キャラクターの比喩が多い。
どんどん、檸檬に突っ込みを入れたくなると共に、トーマスに興味がわいたよ。

そして、とことん悪魔の王子。
ほんと、どこまでも憎らしく、どこまでもやっつけてやりたいと思う奴だ。
だからこそ、最後まで、彼がどうなるのか興味津津だった。

さらに、鈴木先生は、カッコよかったなー。

最後にほろりとさせてくれたのは、やはり親子愛だった。
木村家三世代。
もしかしたら、孫の渉も・・・・いつか業界人になるかな?
そんな想像力を膨らませてくれるところも、伊坂さんの小説の面白さだと思った。

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   「マリアビートル」 角川書店


<マリアビートル> あらすじ
「グラスホッパー」の続編だ。
「グラスホッパー」は、バッタ、イナゴ、キリギリスなど、バッタ類の総称だそうです。
そして、「マリアビートル」は、てんとう虫のことを言っているようです。

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レディバグ、レディビートル、てんとう虫は英語でそう呼ばれている。
そのレディとは、マリア様のことだと聞いたことがあった。 (P436より)
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「マリアビートル」は「グラスホッパー」の続編なので、
殺し屋たちのお話なんだけど、その殺し屋たちの名前もユニークなのよね。
その中のひとり、七尾のあだ名が「天道虫(てんとうむし)」だって。
かと言って、七尾が主人公とは決めつけられないほど、
登場人物のすべてが魅力的で、さまざまな活躍をするお話。

舞台は、東北新幹線「はやて」の東京から盛岡までの車内だ。
七尾は、東京から「はやて」に乗って、トランクを奪い、上野で降りるはずだった。
たった5分で終わる仕事だったのに、ことごとくついていない七尾は、
どんどんトラブルに巻込まれ、ついに終点の盛岡まで行ってしまう。

その間、車内には、アル中だった殺し屋・木村が
悪魔の中学生・王子に復讐しようしたら、
逆に、王子に拘束される羽目になってしまったり、
人質と身代金を奪還して、盛岡まで護送するはずだった、殺し屋「蜜柑」と「檸檬」は、
その護送最中に大事な人質を殺されてしまうわ、身代金は失うわ、のトラブルになったり、
とにかく、次から次へと事件が広がっていく。

そして、「殺し屋」の業界人が、次々と登場する。
まるで、「必殺仕事人」のように、それぞれが必殺技を持って。
東北新幹線「はやて」の2時間30分は、
ドキドキ・わくわく・くすくす・ほろり、と、たくさんの感情が盛り込まれた
濃厚な時間を過ごすことになる。




   「マリアビートル」公式HPはこちらです。


<マリアビートル> 好きなことば


「マリアビートル」
この小説の中にも、いいことばだなぁと思うフレーズがあった。
それを、ここに残しておきたいと思う。

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復活するんだ p52
 
 檸檬が言う。
 「蜜柑、おまえもだ、俺もおまえも、死んでも絶対、生き返る」
 「果物は翌年になってもまた実をつける、それと一緒か」
 「復活するんだ」

ほらな、復活したろ  p462
 
 本物のミカンとレモンが、そう喋りかけてくるような表情だった。

 うん、うん。やっぱり復活したんだよ。
 そう思えるラストシーンはよかった。

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古くから存在しているものには、敬意を感じる。
長く生きていることは、それだけで、優秀だってことだ。
 p227

 槿の言葉。 業界の大先輩からの依頼を受けるシーンだ。
 いいなぁ、大先輩に対して、尊敬とか感謝とは別に「敬意」を感じるっていうのが。

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いい知らせと悪い知らせがある p92  P441
 
 業界の仲介業者の「彼」の口癖である。
 この仲介業者は、たぶん、木村繁だと思う。(P441より)
 「悪い知らせ」がある時、「いい知らせ」もプラスすることは、いいかも。
 そして、p441 の場合の「悪い知らせ」は、実は「いい知らせ」だったなんて
 まるでおとぎ話のようで、涙が出そうなくらいほっとした。

余計な負の情報を与える必要もあるまい p114
 
 木村が、還暦過ぎの、人生も後半戦の親に対して、自分が何の仕事をしているのか
 教えるのを躊躇したシーンだ。 
 「いい知らせ・悪い知らせ」同様に、負の情報は耳にしたくないものだと思う。
 これは、親孝行のひとつかもしれない。


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<マリアビートル> 作品間リンク

「マリアビートル」を読んだ。
作品間リンクを探ってみる。

「グラスホッパー」の続編ということで、当然「グラスホッパー」の登場人物が出てくる。

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(1)槿

「グラスホッパー」での押し屋。

「マリアビートル」でも、伊坂さんの小説によく出てくる藤沢金剛町(架空の町)の
スクランブル交差点で押し屋の仕事をする。 (P129)


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(2)鈴木

「グラスホッパー」での、妻を寺原に殺された数学教師。

「マリアビートル」では、七尾に「人の話を聞き出すのが上手な、そばにいるだけで
喋ってしまう神父みたいな人」と言われる、塾の講師である。(P145)


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(3)スズメバチ

「グラスホッパー」では、当初、令嬢に監禁されたいた若い男女ふたり組で、
実は、彼らは毒で隣人を殺す、スズメバチと呼ばれる業界人である。
そして、寺原を始末して、業界内で一躍有名になった。

「マリアビートル」では、峰岸親子を狙う (P454)


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(4)

「グラスホッパー」では、ポルノ雑誌販売店主の肥満体の女性で、情報屋である。

「マリアビートル」では、電話の会話のみでの登場である。

その循環により、桃と呼ばれる店主は多種多彩な情報の拠点となっていた。
蜜柑や檸檬も仕事内容によっては、桃のところに出向き、必要な情報を買い、
時には売る。
「蜜柑、あんたさ、何かまずいことになってるわけ?」電話の向こうから桃の声がした。
     (P230)


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その他、直接は登場しないけど、回想シーンなどで登場する人物も多い。

(5)
(6)
(7)寺原&令嬢


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